2011年07月08日

バックミンスター・フラーの宇宙学校 4

今回もバックミンスター・フラーの本中より、響いた言葉を
ご紹介させて頂きます。
(しかし、どうしてこんな素晴らしい本が、図書館の本棚から
書庫へ隠されてしまうのでしょう?!内容の大切さ・素晴らしさ
よりも、貸出頻度の方が重要ということらしいですが、疑問
です)

・・・    ・・・    ・・・    ・・・
(以下、引用・要約抜粋)


何が起こっているかを本当に理解するためには、部分から
出発することを放棄し、全体から個々の特性へと働きかけ
なければならない。

われわれは、物質を超えた「心」(メタフィジカル・マインド)
のみが全宇宙の行動を制御している永遠の、重さのない、
普遍的な原理を見出し、使いこなせることを知っている。

…現在の全教育システムは、先天的に包括的な調整能力を
もっている子供に対し、切り取られたある部分のみを学ばせる
というものだ。…言い換えれば、子供は包括性に興味をもつ
のであり、専門分野、すなわち部分に興味を示すのではない

…教育革命におけるもっとも重要な出来事の一つは、子供が生まれ
ながらにして包括的能力と調整力を備え、膨大なデータや日々変化
するさまざまな事柄を即座に処理することができる、ということに
われわれが気づき始めることだとわたしは思う。…わたしは、専門
化におちいることなく、また過去の徹底的な専門化の時代に得た利点
を失うことなく、子供たちが自然に全体を理解し、統合できるよう
指導することが可能だと考えている。全体を理解することで、新たな
局面から世界に共通の問題を考えるようになるはずだ。…無知な
主張やプロパガンダに振り回されることもなくなるだろう。

…教育の関心は単に宇宙とその歴史を学ぶだけでなく、宇宙
が何をしようとしているのか、人間はなぜその一部なのか、
宇宙の進化のなかで人間が最良の役割を果たすにはどうしたら
いいかについて、より多くを見出す研究にある、とわたしは
考えている。過去の学問の専門化によって得た利点を失うこと
なく、また単なる専門家になることもなく、子供たちが全体
としての世界を自然に理解するよう手助けする方法を模索して
いるのだ。


…現在、極端な専門化の時代にあって、育成された専門的な知識や
能力は大学から大企業へ、政府の国防局や軍事局へと流入している。
科学者や発明家はこのような状況に警戒心を抱いている。

…現在の地球文明に必要なのは、根本的な「一般原理」を
包括的に再チェックすることから始まるような教育態度で
ある。…「全体から個々」への流れを確立…宇宙の複雑な
様相や作用が身近なものとなり、人間の日々の経験の一部と
なりうるからである。

…われわれ大人はこの宇宙についてを、また人類が生まれつき
もっている能力を働かせ、活用できるような生活を送るには
環境をどう修正すればいいかを学ばなければならない。

…われわれはオウムのように繰返し唱えることで数字を覚えて
いくが、数字のもつ意味を感覚的に味わうことはない。例えば、
アメリカ合衆国、北大西洋条約機構、中国、ソ連の軍備予算は
年間2000億ドルにもなる。…紙幣をのりではりあわせ、
…つぎつぎに重ねていくと北緯40度線に沿って地球を一周
する巨大な円となる。…年間2000億ドルを使って他国を
滅ぼそうと準備しているのだ。…われわれがどれほど金額
音痴になっているか、感覚の欠落した人間になっているかが
よく理解できるはずだ。…世界の大半の人びとを養うことが
できると言いつつ、一方で食料をマネーゲームの材料にして
価格を吊り上げたり、関税を引き上げるなどして他国の人びと
の生産意欲を挫いたりしているのである。…数字の持つ意味や
永遠に再生産を繰り返す宇宙を動かす原理について、この
小さな惑星と再生産的なエコロジー・システムについて、現実
的に考える方法を見出す必要がある。

…デザイン・サイエンスやエンジニアリングの領域内では、
もし人類が現在までに蓄積してきた知識と世界中の資源を
総動員したなら、われわれ人類が今まで体験したことも、夢
見たことさえもないような高い生活水準と個人の自由を
「宇宙船地球号」に乗る全ての人びと、全ての世代が手に
入れることができるということが、現在議論の余地なく立証
できるのだ。それも、この地球の環境を危機に陥れること
なくしてである。…また、原子力や化石燃料による発電の
同時的、段階的廃止を行いながら、10年間で全人類が不滅
の成功をおさめることができるということも証明可能である。
…太陽や、この惑星の生活圏と環境とのエネルギー相互変換
を蓄積するさまざまな方法から得られるエネルギーを使い
ながら、立派に生きていくことができるのだ。

なぜ、われわれは即座にこのような方式を採用しないのだろうか。
…@人類はつねに、この惑星での生命維持には致命的な欠陥が
あると信じてきたからである。この誤解は、信奉者たちを
特別な救済に導くと説く様々な政治的、宗教的組織を生んだ。
それぞれの政治システムが「生命維持の致命的欠陥に対処する
には、このシステムこそが最も公平で論理的で、緻密なもの
と確信している。我々に加われば、生き残れる。このシステム
に反対するグループに対しては、最も効果的な武力による
解決をはかる」と言うのだ。現在、世界中の150ほどの国家
の元首が、たった一つの「宇宙船地球号」を操るために、
たえず何らかの命令を発している。それは船の右舷が左舷を
沈めようとしたり、船尾が船から離れようとしている状態だ。
…A普遍的な科学や技術に対する理解と、物質的に立証可能
な技術力の開発が必要。99%の人類が科学や技術を理解
していない。その理由とは、物質的に立証不可能な科学の
数学的言語体系を理解できないからである。…その99%の
人類は、科学が発見してきたものを知ることもなく、…効率
的で、相互に考慮された技術の複雑な集合である宇宙を「何も
ない空間」としか見ていない。99%の人類は科学の知識を
理解していないことから、一部の人間によって技術が武器製造
や金銭を生む機械として使われているという事態が生じている。
…このようなジレンマは、自然が採用している技術を99%
の人類に教育することによってのみ解決することができる。

…人間の心には、幾何学的、化学的、物理学的な特性の中に
ではなく、それら特性の”あいだ”に存在する、複雑に相互
に変化し合う、数学的にのみ記述可能な、概念化された相互
関係を見出すという特異な才能がある。…心は、超感覚的に
とらえうる、永遠の、共変的な相互関係の原理を扱う。われ
われ人類は宇宙の問題のローカル的な解決者として機能すべく、
このような能力を与えられている。

…人間には心という現象がある。一つのシステムの個々の
構成要素の”あいだ”に存在する、しかしそれ自体では存在
を主張しない「関係」というものを、見出す能力を持っている。
…頭脳が特殊な事象を把握したり、記憶したりするのに対して
人間の心はさまざまな特殊な事象の「なか」にではなく、
「あいだ」に存在するさまざまな関係を発見するものなのである。
…人類だけがこの普遍的な一般原理の発見能力を持っている。
現在までに発見された一握りの原理…それらを統合した時、
われわれは心が躍るような何かを学ぶのである。原理の間には
矛盾するものは何一つない。永遠のものであるばかりか、
どれもが、相互に適応されうるものである。…人間の心は、
宇宙という偉大なデザインに限定的にアクセスするものだ。
人類には宇宙に仕えるための何か非常に重要な機能があるに
違いない。さもなければ、こうした能力は与えられはしなかった
はずだ。われわれが考えるべきこととは、宇宙における人類
の機能なのである。

…宇宙について人類が学んできた最も重要な物質的事実とは、
いかなるエネルギーも創造されず、また、いかなるエネルギー
も失われないということだ。宇宙とは永遠に再生を続けるもの
であり、効率100%のシステムである。…われわれが知って
いる唯一無二の完全効率システムなのだ。

…われわれは、1800年にトマス・マルサスが考えだした
世界観にもとづいて、いまだにこの惑星を政治的に運営して
いる。彼は人類の生命増加は幾何級数的に伸び、その生命維持
資源は算術級数的に増加するため、「人類は明らかに失敗者
となるべくデザインされている」と言い切ったのだ。それ以来、
「地球はそもそも生命維持に致命的欠陥がある惑星である」
という考え方が、あらゆる政治学、社会学のモデルとなって
きた。…それゆえ、どちらの政治体制が生存に適しているか
は武力に頼ってしか解決されないでいる。
…21世紀に地球という惑星に人類が存在するかどうかは、
…最も強力に武装した者が世界の富をコントロールするという、
筋肉と力が世界の手綱を握り続けている、…このような状態
を心が逆転し、…生命維持のための物資や住宅の豊富な供給
によって、生存のための闘いが完全に放棄される…かどうかに
かかっている。

…われわれは教育に大きな不安を抱いている。人類のほとんど
は自分の仕事のことを心配している。人類は今までの習慣から、
この惑星における生命維持の致命的欠陥を気にしながら、
暮らしを立てていかなければならないと信じ込んでいる。
自然は人類を懸命になって成功に導こうとしているのに、
人々は自分で生み出した不安から、自ら欲求不満に陥っている
という状態だ。

…今日の教育システムのほとんどは「どうやって生き延び
ようか、どうやって仕事を見つけようか、ともかく金を
稼がなくてはならない」という疑問に対する解答が焦点に
なっている。生活費を稼がなくてならないという考えが
最優先され、人々はそんな状態のもとでつねに働き続けて
いるのである。「どうやって生活費を稼ぎ出そうか」という
問題は10年後には歴史から永遠に姿を消し、教育は、眼に
見えない実用性偏重という悪夢に邪魔されることなく、宇宙
が何をなそうとしているのか、人類はなぜその一端を担って
いるのか、宇宙進化のなかでの人類のもっとも有効な役割
とは何かを知ることを考え始めるのである。


…自然は懸命に人類を成功に導こうとしている。われわれが
成功するとすれば、若者たちの世界の美徳と、真実を学ぼう
とする決意、そして、全ての真理のシナジー的な重要性に
対する理解によってなしとげられることになるだろう。

…「明日を教える」という役目は、われわれが「自滅」に
向かうか、「成功」への選択をとるかの岐路に立つ、今から
8年後までが勝負だ。明日の教育の機能とは、人類が宇宙に
これからも存続していくに値するものであることを確実に
することなのである。
(以上、引用・要約抜粋)

・・・    ・・・    ・・・    ・・・

(あとがきより引用)
―原題「On Education」1962年の南イリノイ大学における
講演録から1979年に出版された「Commentaries on the Future
Education」に寄せた論文まで、本書におさめられた10本の
文章はフラー独自の教育論であると同時に彼の宇宙論でもある。
今世紀最大の思想家の一人である彼の名を日本で知る人は
あまりいない。1983年に87歳で亡くなるまで、大転換期にある
地球が選択すべき哲学を説く伝道者として精力的に活動を続けた。


・・・    ・・・    ・・・    ・・・

とにかく、すごい!!
1960〜1970年代の、今から半世紀前に書かれたとは思えない
ですね。目が覚めたような感覚です。フラーの述べている
危機は、半世紀経った今でも、残念ながらあまり変化はない
ようですね…いまだに戦争、人々の生存競争、食物・エネルギー
・資源の争奪戦は絶えません。宇宙を学ぶことは、わたしたち
人類の成功につながる…宇宙は100%無駄のない精巧な
システム…その宇宙の中に組み込まれたわたしたち、人間…
その意味は何でしょう?少なくとも、「宇宙は何もないただの
空間」という考え方からは脱却したい!!こんなに明確にわたし
たちに考えさせてくれる、気づかせてくれる、こんな本に出合え
てよかった!!と思います。

話は変わりますが、今インド学校が注目されているようですね。
つい先日TVで放映されていましたが、非常に危機感を感じま
した。これは将来日本が世界の中で沈んでいってしまうような
”差”を感じました。昔から、なんて外国人は各々がしっかり
した自分の意見を持ち、しっかりとそれを表現できる能力を
持ち、考え方も外見も大人っぽいんだろう…と思っていました
が、もう年端もいかない小学校低学年のうちから、全く違う
のですね。これには驚きました。大人たちがブームを作り、
きらびやかに見せる流行には左右されず、宇宙や医療に将来は
と夢を語る子供が大半でした。これには、本当思わずため息が
出ました。
しかし、クラスメイトの中には日本人の子供もいて、自ら
インド人学校に入学することを志願したと言っていました。
日本で受験ができなくなるそうですが、何度も親と話し合い、
納得した上での決断だそうで、将来はハーバード大学へ行く
とのこと!!
こんなに小さなうちから、情報を収集し選択しいろいろな状況
を鑑み、自分で考え、決断できる大人のような子供が存在する
のですね。

話は少しそれましたが、フラーの言うとおり、教育は人類の
将来の”かなめ”なのですね。
宇宙のこと、そして宇宙・地球に組み込まれているわれわれ
人間の意味、からどんどん細部の個々に目を移していけば、
どこにでも宇宙を、日常の生活の中にでさえ感じることができ、
人間はいつでも宇宙とつながっていることを感じることができ
るようになり、本当に、戦争や兵器、金、ウソ、などが、
人間を惑わせる一種の”まやかし”に過ぎない、そんな時代
もあったよね、なんていう未来が来るのだろうと感じます。


posted by えこたん at 13:37| Comment(0) | 本・DVD・ドラマの感想・ご紹介 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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